第33回 日本小児救急医学会 パネルディスカッション2 広げよう 小児一次救命処置
発表スライドの一部を、演者の協力の下、下記で見て頂けるようにしました。
管理人の部屋でも時々お知らせしてきたように、埼玉県さいたま市では、学校の授業中に運動後突然死した桐田明日香さんの事案を受けて、ASUKAモデルを作成しました。
このモデルの大きな柱の2つは、
① 危機的事案が発生した時の危機対応の向上 と
② 学校の児童による心肺蘇生授業の実施 です。
現在は埼玉県さいたま市のすべての市立学校(小学校・中学校)の生徒たちは、国語算数理科社会を学ぶのと同じように命の授業として心肺蘇生法を学んでいます。
すべての子どもたちが、心肺蘇生方法を学んでから社会に出ることができるようになると、7万人とも言われる院外心肺停止の方の生存率・社会復帰率が変わるであることは想像に難くありません。
②に関しては学校の関係者以外でも、医療従事者・救急職員(救急隊員・救急救命士)や一般の方でも蘇生講習・指導に興味のある方は、いろいろとお手伝いできる可能性があると思っています。
しかしながら、すべてをはじめから作り出すのは大変です。そこで、ASUKAモデルをはじめ管理人が見つけることができた、心肺蘇生授業に有用と思われるサイト・資料をご紹介しようと思います。
一人でも多くの方が、心肺蘇生法を学ぶことができるように協力したいと思っています。
さいたま市 保健学習におけるAEDの使用を含む心肺蘇生法の指導の手引きG2010版
さいたま市 ASUKAモデル 動画
さいたま市 ASUKAモデル DVD貸出
小学校安全教育副読本『命を守る 心肺蘇生・AED』 申し込み
小学校安全教育副読本 PDFダウンロード
成人版はこちらからダウンロード可能です。成人版副読本『命を守る 心肺蘇生・AED』
1.「いのちの教育」 ビデオ
2.子どもに対する心肺蘇生法の指導法の実践ビデオ
3.学校教員向け指導用教材
学校保健ポータルサイト
なぜ なに どうして学校保健 第2回『AED』
日本臨床救急医学会 学校へのBLS教育導入に関する検討委員会ページにもいろいろと情報がありますので、リンクをはっておきます。
有料とはなりますが、下記のテキストもあります。
① すぐわかる 子どもの病気・ケガ対応BOOK 普通救命講習III対応
金沢大学 小児科 太田先生監修 80円
② 図解 みんなの救急 ガイドライン2015対応
帝京大学 坂本先生 監修 650円
人形は医療者でも使用するような蘇生人形から、学校教育に便利な簡易人形など様々あります。予算や準備する個数によって選んでゆきましょう。
簡易人形でも生徒1名につき1体の人形を用意することで、1コマの授業で十分な胸骨圧迫を学べることが分かっています。
複数のクラスがある場合、一斉授業でなく各クラス毎に授業を行えば、必要とされる人形は各クラスの人数で足ります。
また、共同して蘇生を行うことを同時に学ぶ(途中で胸骨圧迫を交代する)ことも学ぶのであれば、二人に1体の人形でも良いかもしれません。
ただし、人形生徒比(人形1体に付きの生徒数)が増すと、胸骨圧迫をしない時間帯が多く生まれ、授業の効率が低下する可能性がありますのでご注意ください。
(管理人の推奨としては、人形生徒比は1:2位までが効率よく授業が出来る印象です。)
蘇生人形
レサシアン with QCPR (成人用)
リトル アン (成人用)
リトル ジュニア (小児用)
簡易人形
あっぱくんライト(アレクソン) あっぱくんライト(フクダ電子)
AEDトレーナー
実機と異なる形状だがトレーニング可能なもの
実機とほぼ同じ形状でトレーニング可能なもの
人形とは呼べないけれど…
人形とは呼べないけれど、ペットボトルでの心肺蘇生学習も可能なようです。
サントリー天然水 550mlあるいは2lのペットボトルが推奨されています。
その根拠はここから
人形の入手方法に関して
人形に関しては、原則的には学校でご用意いただくのが良いと思いますが、なかなか難しいのも現実です。そういう状況ですが、地域の団体と学校・教育委員会等の連携で、人形を準備できた事例がありますのでご案内します。
① 地域医師会で購入・学校へ貸し出し
ASUKAモデルが作られたさいたま市の例ですが、市内にある4つの医師会のうち、岩槻
医師医師会が人形を購入して市内学校へ貸し出すような事業を行っているそうです。
② 地域医師会で購入・学校へ寄贈
埼玉県上尾市では、学校で発生した心肺蘇生事例で学校からの救命の連鎖がうまく
つながり救命できたことに医師会から感謝の意を表して、人形が寄贈されました。
③ ロータリークラブで購入・学校へ寄贈
埼玉県久喜市や羽生市では、久喜ロータリークラブ様・羽生ロータリークラブ様から人形
を市の教育委員会へ寄贈して頂きました。
心肺蘇生の指導員をどのように確保するかが、教育関係者の皆さんには頭を悩ませるところだと思います。いろいろな方法があると思いますので、例を挙げてみます。
① 学校独自でする場合
イ)普通救命講習を受け、方法を学ぶ
ロ)応急手当普及員・応急手当指導員を学校内で養成する
② 外部に指導員を委託する場合
イ)地域消防へ指導員を依頼する
ロ)日赤など心肺蘇生を普及している団体へ依頼する
ハ)地域の医師会・学校医などへ依頼する
茨城県では、中学校でのの心肺蘇生授業に、地域の大学と連携して授業を行った様子が報告されています。体育教諭を養成するような大学の学科のようですね。看護師さんの養成学校や、救命士さんの養成学校でも同様な取り組みが広がると良いですね。
平成31年2月16日(土)につくば市立竹園西小学校で日本AED財団 School部会フォーラム「学校での突然死ゼロを目指して~小学校からの教諭による救命教育の推進~」が開催されます。開催告知のパンフレットは以下からどうぞ。
平成28年度 埼玉県学校健康教育推進研修会開催
埼玉県教育委員会主催による平成28年度埼玉県学校健康教育推進研修会(心肺蘇生法とAEDの実習)が、開催されました。
児童生徒に教える技術を身につける為、一生懸命取り組まれたそうです。