出張コースの感想を、出張コースにご参加いただいた施設の方からご紹介します。   土屋小児病院

PALSを病院単位で受講して

 土屋小児病院では本年1026日・27日医師9名看護師7名検査技師1名の計17名がPALSを受講しました。医師は理事長をはじめ常勤医ほぼ全員、看護師も師長以下主だったメンバーで参加しました。

 

従来PALSの講習は、各病院からそれぞれ数名の医師が参加して行われていました。しかし、それでは参加者個々のスキルアップにはつながるものの、個々の参加者が病院に戻っても成果を出しにくい状況でした。実際の診療と同じ環境で受講すれば、より成果が上がるのではないかと考え、当院では診療チームがチームとしてPALSの講習を受ける形にこだわりました。すなわち、医師、看護師、検査技師は偏りのないよう、3つのグループに分かれ、日常行っている救急診療に近い形でチームを組みました。ケースはよく経験する疾患から(二次救急病院では)めったに経験しない疾患までいろいろでしたが、5-6人がチームを組み、チームダイナミクスを理解しながらの、実戦さなからの講習はとても意義深かったと思います。

 

PALSは医学部や看護学部では教えてもらえないある種の言語だといえます。その習得に際しては、外国語と同じで、本を読んで理解できただけでは使えるようにはなりません。その言語を理解し、理解するメンバーを増やし、そして実践して初めて使えるようになります。当院では受講前から数か月かけて院内勉強会を行い、言語を理解できる職員を増やすことから始め、この講習に臨みました。いつもの診療チームで、実戦さなからのケースを想定しての実習はとても良い経験になりました。チームでの経験はそのまま当院の救急診療の改善に反映され、救急患者の初期対応での生食、酸素、モニターの準備や投与さらに、今まで常備されていなかった薬剤や器具の調達など、目に見える形で変わりました。講習の結果はPALSの実力だけでなく、病院の雰囲気も変わったように思います。各種の指示に対するクローズド・ループ・コミュニケーション、お互いを尊重したチームワークの向上、勉強会等への積極的参加がみられるようになりました。

 

救急の治療はチーム医療です。チームのメンバーには患者に対する適正で迅速な救急対応が欠かせませんが、患者家族への対応や記録等なすべきことが少なくありません。医師看護師だけにとどまらず、検査技師や薬剤師、事務職員等多職種がからんだチームの練度の向上が望まれます。一回の講習だけに終わらせず、日頃からチームダイナミックスを理解したチーム医療に心がけ、二次救急病院として与えられた役割を果たしていきたいと考えています。

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 土屋小児病院 病院長

 子川和宏

 

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